Flex6400 ３か月の使用感

Flex6400を使い始めて３-４か月が過ぎました。まったくの私見ですが、使用感を改めて。

全体：◎

$1,999という本体価格からすれば、非常にお買い得だと思う。IC-7300のコストパフォーマンスは驚異的だが、その2倍程度の価格で、3-4倍nの価格クラス相当の2レシーバー・高性能SDR、ネット接続容易などが手に入る（操作パネルはないが）。十分満足している。SDRのメリットで大きなPC画面でバンド全体の様子を見ながらのQSOは快適。２レシーバーでのパイルアップ対策、コンテストでも各バンドの状況がすぐに見えるので効率的、などなど。
敢えて不満を言うと　１）筐体がでかい。２）SmartSDRが、今だJAのバンドプラン変更に対応していない（1.9や3.5のJAバンドプランが古いままなので、例えば3.573以上はソフトで送信禁止になっているなど）。問い合わせたところ、次のバージョンアップで対応とのことだが。　というようなところでしょうか。

モード別では、以下のような評価です。

①CW：◎　
ノイズフロアが全体に低い感じで、弱い信号も聞き取りやすい感じがする。QRMの状況でフィルターを狭めた時の聞こえ方も自然で混信除去能力も満足。NRについては、あまり強い効果が出るタイプではない感じ。特にCWではあまり使っていない。一方、APFはノイズが抑えられて非常に聞きやすくなるので、いつも使っている。パイルアップでSPLIT運用の使い勝手も非常に良い。VFOAからSPLITをクリックすると１KHｚ上にＶＦＯＢが現れ、デュアルレシーブとなって、ＤＸ局と呼んでいる局が聞こえ、また見える。空いていそうなところをクリックして送信するだけ。
不満があるとすると、１）ＣＷのタイピングはＣＷＸという機能を使うが、ファンクション設定と同時に表示出来ないなど、使い勝手が良いといえない。パドル接続はもちろん、別のソフトの接続をすればよく、コンテストではCTESTWINをつなげて問題なく運用できた。２）ＡＧＣはＯＦＦから３段階切り替えがあるが、あまり差を感じない。もっとＦＡＳＴを効かせて欲しい感じがする。

②ＳＳＢ：〇　
あまりＳＳＢを使っていないので、積極的に◎とする状況に遭遇していない。特に問題もない。受信音は、BOSEのPC用のスピーカーシステムに繋げているが、TS-2000と比較して、ノイズは低めの印象だが、音声自体はそれほど大きな違いがあるように感じない。NRの効きはCWと同様にマイルドで極端な歪も出ないが、ノイズ低減効果もそこそこ、という感じ。SDRのメリットとしてスペクトラム画面を見ながら、NOTCHをビートに載せるなどが容易にできるということはあると思うが、そのような状況がここまであまりなかったので、今後の評価。
ＭＩＣ端子が背面の小型のプラグなので、良くある８Ｐやモジュラーのものは変換が必要。ＰＣにマイクを挿してしゃべる手もあるが、あまりしっくりこない感じがする。ＨＥＩＬのヘッドセットを使うのにはちょうど良いが、ヘッドセットをつけたくないときは、ミキサーを通してＳＨＵＲＥのボーカルマイクを使っている。特に問題はない。イコライザーもソフトにあるが、特に使用していない。今後、送信音については改善の余地ありと思う。PCにMICを繋いで送信することもできるが、レベル調整、音質等うまくいっていないので、今は直接接続のみで使用している。

③デジタル：◎
◎としたポイントは２つ。まず、ノイズが全体に低いので、SNRの数字が良い印象。正確な技術的なベンチマークではないが、カタログ上でアナログ機よりも高性能であることを一番実感できるのが、FT8のSNRの数字かもしれない。二つ目は、インターフェースの容易さ。最近のリグはUSBでCATと音声が直接つなげるので、インターフェースに苦労はないが、Flex6400は、ネット経由のリモートでも設定などはほとんど必要なく、リモートと相性の良いデジタルモードで、設備から離れてインターネット経由でFT8のQSOが非常に簡単に設定・運用できる。問題と思っているのは、非常に混んでいるバンド（20mでDXが開けているときなど）でSmartSDRとJTDXを同時に使っているとPCの負荷が上がり、デコードが遅れることが出てくることで、ハイスペックのPCではあまり問題ないが、少し古いノートから運用していると、相手のリターンのデコードが遅れて、繰り返しのメッセージを送信し始めることがある。（PCの負荷、については、一番上のFLEX6400の記事に記載しています）